2004年3月27日 ----- kakakuri かたくり 片栗(ユリ科)

鳩吹山のカタクリが咲き始めました・・・ で、そんなカタクリのことを少し調べてみました。

 植生地の落葉樹林で、早春の3月から4月にかけて、林の中に差し込む陽の光を受けて1年分の栄養を一生懸命に蓄え、新緑で陽の差さなくなる前に消滅するかのように果かなく姿を消してゆく花=スプリング・エフェメラル(春の果かない命)と呼ばれる花たち。その代名詞に例えられるのがカタクリです。スプリング・エフェメラルには、このほかアズマイチゲ、ヤマブキソウ、アマナ、フクジュソウ、セツブンソウ、コバイモ、エンゴサクなども・・・ (※エフェメラルとは、現れてすぐ消えてゆく生き物のことをいうそうです。)


鳩吹山北斜面の落葉樹林の中のカタクリが賑やかに一斉に咲き始めています。
 

 

 カタクリは、7〜8年の1枚葉の時期を経た後、2枚葉の個体となりやっと開花します。

林の中で落ち葉の下にカタクリの子どもたちを捜してみました。

  カタクリはユリ科の植物で種から花が咲くまで7〜8年もかかるそうです。初めは「これがカタクリかいな?」と言うようなヒョロリとした蔓のような形のカタクリの芽は毎年、葉を大きくしてゆき、双葉となって初めて花をつけます。根っこの鱗茎にデンプンを貯めており、ここから昔懐かしい片栗粉が取れます。(今は、ジャガイモから作る んだとか。) カタクリ見学に来ていた年配の方の話に耳を傾けていたら、葉っぱを茹でて食べたこと もあるとか・・・

   カタクリ 
 
  
山野に群生する多年草。りん茎は地中深く入り、長さ4〜5cm、基部には前年のりん茎の基部がつく。地際に2枚の淡緑色の葉を対生し、表面には紫色の斑紋があるが、生育地によってはまったくないものもある。早春、葉の間から花柄が立ち、花が 一花うつむいて開く。りん茎から昔からカタクリ粉をとった。花期は3月から5月。北海道から九州まで日本全国に分布する。(解説板より)

 斑入りの二枚の葉の間から茎を伸ばし、その先にうつ向き加減に薄紫の花を1個つけます。気温に敏感なようで 、暖かくなると30分もしないうちに花弁を広げます。咲き始めたら、じっと見つめていましょう。(^^ゞ その咲く姿はとても可憐であどけない乙女のよう。恥らうように咲くひとつひとつの花を下から覗きこむと、花びらの内側に、花びらの形をした縞模様が見えます。これは蜜標(みつひょう)と呼ばれるものだそうで、虫たちに蜜のありかを教えるための目印になるのだそうです。同じように見えるカタクリの花ですが、そばで見るとひとつひとつの蜜標は花によってそれぞれに個性があり、オンリー・ワンと言って自己主張しているような気がします。

≪マクロで撮ったカタクリ≫

 
左:背後に陽の光を受けて花弁の縞模様(蜜標)がくっきりと・・・
右:新撰組の袴の模様 ? をした蜜標。思ったよりも随分派手だなぁ〜(^_^;)


 
カタクリの開花と蕾と落ち葉            咲き始めたカタクリ

 

 カタクリの語源は、古名の「かたかご」が「かたこゆり」になり、さらに転じて「カタクリ」になったと言われるようになったそうです。古名の「カタカゴ」の由来は、「傾いた籠」=花弁が反り返って籠状になり、花が下向きに傾いて付いているところから名付けられたと言われているそうです。

 



少し離れてみるとスミレにも似ている。


カタクリの後姿、うなじを見せてピンと立てた花弁が愛らしい。
                                

  落葉樹の林の中で、春早々に芽を出し、花が咲き、実をつけ、あわただしく姿を消してゆく。樹木が茂り太陽の光が届かなくなる前の僅か1ヶ月ばかりの隙間をついて生きていく。これも自然界で生き延びてゆくための植物の確かな知恵なのでしょう。スプリング・エフェメラルの生態に感動します。植物は考えることができないと我々人間は思いがちですが、そんなことはないんですね。まるで十分計算したように生きているんですね。そんな花たちを見ていると、命が短いからこそ一層、輝きを増しているように思えます。「綺麗だね。」と見ていただけの植物の生命の神秘性と逞しさに勇気をもらい、「あんたもがんばりゃ〜」と励まされているような気がします。(^_^; 


 カタクリ(片栗)
花ことば:初恋・さびしさに耐える
由来:恥らうようにうつむいて咲く淡い紅紫色の花の姿から、初恋。
    誰にも知られずに夢を見て、さびしさに耐えている様子。 
学名:Japanese Dog's Tooth Violet 
←怖い名前ですね(^_^;)
 

** 案内情報 **

 美濃加茂市から国道41号線を南下。花木センターの信号を過ぎ、(可児川橋を渡る。橋と気がつかない)次の信号を右折する。信号からそのまま狭い道路を北進すると紅陵閣へ。現在、無料駐車場(可児川下流域自然公園駐車場)まで幅広の道路工事をしているが通れないことはない。無料駐車場は30台ほどで満車になるので、取り付け道路の道端も駐車場化している。駐車場には、シーズン中はトイレも設置してある。
(★注意 尚、無料駐車場は 7時〜18時以外は閉鎖される。)

  無料駐車場から坂道を下りて、橋を渡り、道なりに進めば5分ほどでカタクリの群生地に行く。


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